沖本先生の本を読んでいると株式収益率を用いてグレンジャー因果性分析やインパルス応答関数なんかを説明してて、そもそもこの収益率とはなんぞや?というメモ。
収益率:
「一定期間における収益の額」を「期首における資産の残高」もしくは「一定期間における資産の平均残高」で除すことにより求められる収益の割合のこと。
t期での収益率Rtは
$$R_t = \frac{R_t – R_{t-1}}{R_{t-1}}$$
で表される。
例えば、
100円だった証券がt+1期で110円となったときの収益率は(110-100)/100=0.1となる。
沖本先生の本ででてくるmsciのデータでは、2003年1月1日のJPは1593.175で1月2日は1578.214なので、
1月2日の収益率は(1593.175 – 1578.214) / 1578.214 = -0.009480ということになる。
データは沖本先生のページにあります。
しかし沖本先生の本には対数差分を用いて株式収益率を計算したと書いてあって、
なんのこっちゃ?と思ったわけなんですが、調べてみると収益率は対数差分で近似できるということなんですね。
[参考]収益率の代わりに対数差分を用いられる理由
http://studysummary.hatenablog.com/entry/2016/02/26/110704
log(1+x)のx=0でテーラー展開を考えると
$$\log ( 1 + x ) = x – \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} – ・・・$$
log(1+x)のx=0の近傍での1次近似は以下のようになる。
$$\log ( 1 + x ) \approx x$$
ここで上の式に$$x=R_t$$を代入すると色々計算してこういう形になる
$$R_t \approx \log R_t – \log R_{t-1}$$
詳しくはリンクを見てください。
時系列分析で対数差分をとることの理由がよくわかりました。
テイラー展開とはなんぞや?というのは以下に詳しく書いてます。
[参考]Taylor展開
http://www.ice.tohtech.ac.jp/~nakagawa/taylorexp/taylor1.htm
非常にわかりやすいと思います。
ちなみにちょっと面白いと思った記事
投資収益率が20%取れるかどうか?
https://www.tm-tax.com/mind/column/column065.html
サイゼリアの投資収益率について書かれています。
数値モデルを作って、数値モデルを目標にいろいろと仕組み化しているようですね。